おもとの作り方

・・・ 一般的には楽焼の「おもと」鉢が使われていますが、プラ鉢、素焼き鉢等特に選びません。要は自分の作り方にあった鉢を選ぶと良いでしょう。少し小さ目かなと思う位の大きさの鉢のほうが根の状態が良く出来ると思います。自分が作った「おもと」を飾るのも楽しみの一つです、錦鉢(絵柄の入った鉢)に植え込んでみましょう、一段と良く見えますよ。

・・・ おもと界では古くから朝明砂を使用していますが川砂、軽石などで形が崩れない用土を使用します。これも鉢と同様に自分の作り方、環境にあった用土を選ぶと良いでしょう。最近は夏場の蒸れが少ないということで軽石を使用する方が多くなりました。「おもと」を締めて作るには朝明砂が1番だと言う人もいます。当園では数種類の軽石に沸石(一般的にゼオライトと呼ばれている)を混ぜた用土を使用してそれなりの効果が上がっています。大、中、小の3種類から4種類を使用しています。

桑炭・・ 植え込み用度の中に混ぜて使用します、鉢の下の方と中間の2か所に入れるのが一般的です。桑炭と限定すると手に入りにくいですからバーベキューに使用する炭を適当な大きさに割って使用しても構いません、その他、竹炭など身近で入手出来る炭を使用すると良いでしょう。但し集成材や合板など接着剤を使用していた木の炭は使用しないで下さい。

植え方・・植え込み方も人により様々です、下から順に大、中、小、首砂、と入れて表面に水苔を置いて出来上がりです。1年に1度は必ず植え替えるようにしましょう、時期は春、又は秋のお彼岸前後が適期です。「おもと」の痛みが一番出やすいのが夏ですので、秋に植え替えをするのが、芋や根を点検する意味でもベストと言えます。             

採光・・・「おもと」は半日陰の植物です。あまり強い光線は好みませんので、ヨシズやダイオネットを使用して日を加減してやります。ですが春(成長期)は強め、夏(休眠期)は日陰、秋(充実期)はやや強め、冬(冬眠期)は半日陰です。尚、冬期はあまり温度を上げ過ぎないように注意。

灌水・・・水かけ3年のことわざがあるように「おもと」作りの中で一番難しく又、大事な所と言ってよいでしょう、基本は「乾けばやる」ですが、表面は乾いているように見えても鉢の中間部分は湿っている事が多いので、早く自分で見極めが出来るようになりましょう。春と秋は多めに、冬と夏は少なめに。

肥料・・・春4月位から入梅までの成長期に有機質の肥料(油粕を丸く固めてある)を鉢の縁に2〜3個置きます。入梅までに3回〜4回程置いてやれば良いでしょう。又、水肥を与える方法もあります。化学肥料を使用されている方もいますが、化学肥料は即効性ですので使用には十分注意をしましょう。「おもと」が出来るのも肥料なら傷めるのも肥料です、肥料に関してはベテランの方のアドバイスを受けると良いと思います。

増殖・・・芋吹きと割子の2つがあります。芋吹きは春に親芋に付いている芽アタリを切り離して水苔で包んだり、砂で植えたりして芽を出させる方法。割り子は親木の力で出た子株を切り離したもの。割り子をする場合は子株に自分根が3本以上ある物を割るようにする。

置場・・・4月〜5月(1番成長する時)は朝日が良く当たる東向き、又は南向きの場所で風の良く通る場所。梅雨明け後から夏場(休眠期)は日陰の涼しい所。冬(冬眠期)は西風、北風を避けてひどく凍らさないように、同時に温度を上げ過ぎないように(理想は12度以上、あがらないように)


上砂、上苔替え