おもと四方山話

No、2

7月19日

今の時期は毎日取っても取っても赤葉が出ます。気になる人は赤くなり始めると
すぐに取ってしまいますが、軽く引っ張ると取れる位まで置いておいた方が良いと
思います。力を入れて引っ張らなければ取れないのはまだ葉が生きている証拠で
す、無理に取ると傷になり痛みの原因にならないとも限りません。どうしても気にな
る方は赤くなった部分を切り取り葉を真ん中より左右に裂いておくと早く枯れて行
きます。時に水を含んだ状態で葉が枯れて行く事がありますがこんな葉は出来る
だけ早く左右に裂いて置くようにします。
葉の色が緑色の時はまだ仕事をしている時なので少しでも長くつけておいた方が
おもとの為にも良いのです。


最近植え込み材料に軽石を使用されている方が多くなって来ました。使用している
軽石の種類も様々のようです。当園でも6〜7年前より軽石を使用していますが当園
が軽石を選ぶ時に一番気をつけたのは出来るだけ硬い軽石を選ぶようにしました、
理由は軽石植えの場合芸が甘くなる?と言われている為です。又、軽石も1種類で
はなく水の持ちが良い軽石や少しでも砂利植えの状態に近くなる様に焼き赤玉土
(クレイボール)、ゼオライト等4〜5種類を混合して使用しています。

軽石植えの最大の利点は夏の蒸れに強い事です。私の住む香川県は非常に蒸し暑
く夏場の蒸れ対策で1年の作が決まってしまうと言っても過言ではありません。最近
は特に地球温暖化の影響か熱帯夜の連続でおもとにとっても又、人間にとっても厳し
い夏が続いています。もうひとつ厄介なのが瀬戸の夕凪と言う現象です。午後7時過
ぎ位に風がピタッと止まってしまいます、この状態が11時頃まで続きます。こうなると
じっとしていても汗が噴き出してきます人間は涼しい所を探し逃げ出しますがおもとは
そうは行きません結果、鉢中は蒸れ蒸れの状態が続く事になり根落ちの原因となり
ます。鉢の中が蒸れないようにするにはどうすれば???何故蒸れるのかと考えた
時、蒸れる原因を無くすれば良い!つまり、鉢の中に余分な水分を残さなければ蒸れ
なくなると結論を出した、その為にはどうすれば、また?である。その答えは目の前に
ありました、秋の植え替えの時、春に根巻の状態で置いてあったおもとを数本まとめ
て蘭を植える配合土で数十鉢植えていたのですがその鉢の根がほとんど良かったの
です、それもプラ鉢植えでした。プラ鉢は水の発散が悪く余計に蒸れると思っていたの
すが結果は反対でした。この事がヒントとなり翌年はプラ鉢(おもと用のサイドに穴の
あいてる鉢)に軽石で植えた鉢を棚のあちこちに置いてテストを始めました。植え込む
前に数種類の軽石と朝明砂に水を十分吸わせて机の上に並べて乾き方の違いを比べ
て、結果現在の配合
になりました。炭も硬い物で手に入り易い竹炭を使用しています。
先に書きました軽石植えの場合芸が甘くなると言われている?と書きましたが、実際は
どうでしょう、全国大会で入賞された方々に植え込砂に何を使用しているか今後聞いて
みたいと思っています。答えは又、書いて行きたいと思います。


9月12日
蒸れ防止について植え込み材料と同時に思ったのが灌水についてです。私がおもと
界に入った頃にはおもとは上に置いてある水苔が常に湿った状態でなければいけな
いと教えられました、今年の夏は割と涼しくおもとにとっては良い夏だったかもしれま
せんが、春先の低温、そして空梅雨かと思えば梅雨明け宣言後の長雨とやはり異常
気象でした。そのせいか新葉の伸びが悪いような気がします。夜間の温度も例年より
は低い日が多く熱帯夜も少なかったのですがそれでも蒸れを気にして水は少なく管理
しました。水を少なめに管理し始めて根オチが少なくなりましたので自分の考えが正し
かったのかなと思っています。が、又違う方面で色々考えさせられることが出てきました
それは葉の伸びについての事です。水が少ないと葉繰りや伸びが悪いと言われていま
す、確かに影響はあるかもしれませんが水の影響だけでは無く気温や肥料などが関係
してくる事もあると思いますのでそれほど極端に葉繰りや伸びに差があるとは思えない
ので、おもとを傷めるよりいいだろうと思うようにしています。植え込み材料を変え水を少
なくして私の所では一応の結果が出ていますので今のやり方を続けて行こうと思ってい
ますが完全と言う事は無いと思いますので日々研究して行こうと思います。

一番大事なことは早く自分の作り方を見つける事と思います。それには多くの方の話を
聞き、そして多くの棚を見る事だと思います、全てを鵜のみにするのではなくその中から
自分の所の環境にあった作り方を見つける事、あせらずゆっくりと行くのも大事と思いま
す。もし失敗しても、なぜ失敗したかを考える事、原因を考えない人に進歩はありません

原因が分かると同じ失敗を繰り返す事はありませんから・・

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