春の植え替え、芋切りについて・・・@

 ずいぶんと久しぶりの更新です、春の植え替えの時期も近付いていますので注意点や要点を
書いて行きたいと思います。
資材の準備(植込みの用土、鉢等)の準備。植込みの途中で砂が足りなくなって用意するのでは
時間的にもかなりのロスになりますので。できれば鉢等も使用していた古鉢(こ鉢ではなくふる鉢)
も前もって煮沸消毒等を済ませておけば作業が順調に進みます。楽鉢の場合は逆さまにしてガス台
で焼いて消毒が出来ます。楽焼、及び素焼き鉢以外の鉢には不可です。特に大事にしているおもと
(価格的にも)には植え替えの度に新品の鉢に交換する事をお勧めします。
数百円(鉢代金)を惜しんで大事なおもとや、高価なおもとを痛めたのでは悔いが残ります。
煮沸をする場合は約80℃前後で約15分〜20分行います。おもとが感染するのはカビと細菌ですので
ウイルスの消毒程長時間の必要はありません。(ウイルスの場合は30分は必要と言われています)
用土、鉢の準備は出来ました、次は芋切り用のランセット(メス)の準備をします。ランセットはよく研いだ
ものを数本用意し、おもとを1本切る度に消毒します。私は空きビンに入れた消毒用アルコールに浸け
込んでいます。(健全な芋を切った場合には布で拭くだけですが)芋痛みのおもとを切り上げた場合、
痛みの原因になっていると思われるカビや菌がランセットに付いていて次に切ったおもとに移る可能性が
あるからです。
芋洗い用のハケも同様です、ハケも数本用意し消毒しながら使用します。芋痛みの感染は先に書いた
ランセット及び芋洗い用のハケからと言う意見が多い為です。
ランセットはよく研いで下さい。切れの悪いランセットで切った場合切り口の細胞を壊すのでおもとために
よくありません。おもとは食べ物ではありませんが切り口の細胞が壊れた刺身は味が落ちると言われて
いるのと通ずる処があると思います。芋を切られると言うのはおもとにしてみれば大手術ですので切れの
悪い刃物で切られると傷口の治りも遅れるのではないかと思います。 私がおもと界に入った当時、高価
だった富国殿の子を外す時(30〜40万円)、持ち主が30分程も時間をかけてランセットを研いでいた
姿を思い出します。


      

 私が使用している植え替え用の用具              ランセットは使用しない時は、水分を良く
 上のビンの中は消毒用アルコール(エタ            拭き取り発砲スチロールに差し込んで保管
 ノール)が入っています。                     します。 

芋切りを予定している方は最短でも1週間前位より水苔を水に十分浸けておいて下さい。最近はどれくらいの
方が行っているかは不明ですが、以前には灰汁を作りその中に浸けていました、水苔のアクを抜く為とphの
調整をする為です。(水苔は酸性)現在は輸入苔が主流で輸入の際に検疫の為に色々な薬品等で消毒して
いますが灰汁を使用せずに浸けていた水苔を使用しても今のところ特に影響は無いようですが、気になる方
には以前のやり方をお勧めします。

その他注意するべき点は
@芋は良くきれいに洗う。
A植え込みは丁寧に、砂はよく詰める。
B品種名を間違わないために葉の裏などに細書のマジックペンにて品種名を書いておく。
子が付いている場合は子の葉にも必ず書くように、割り子を外した時に解らなくる事が多い。




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