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おもと四方山話  NO12

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平成22年10月 

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おもと鉢の話-4     七々子鉢

最初にお詫びと訂正をしておきます、おもと四方山話no、9五竜鉢の文の中で「五竜鉢には花の図案や鳥(鶴)の絵 といった優しい絵が多いのです、竜とか虎と言う様な男性的な図案は見当たりません」と書きましたがその後、古(こ)鉢を研究されている方にお話をお聞きしたり又、自分も調べて行く中で竜の絵が描いてある五竜鉢が存在する事が判ってきました、十分に調べる事なく書いた事を申し訳なく思っています。但し数はごくごく少数だと思われますが今後まだ色々な図案の五竜鉢が出て来る可能性があると言う事も考えられます。   竜の絵が描かれた五竜鉢はこちら

七々子鉢については先に書いた古(こ)鉢を研究されている方(エビアン氏)のサイトや最近良く雑誌(自然と野生蘭)で見かけたので今さらと言う思いがあるが私なりの目線で見た、又、感じた事を書いて行きたいと思います。現在は七々子或いは七子と書かれますが以前には魚々子とか魚子と書かれていました七々子柄は魚の卵をデザイン化したものだとか、魚のうろこをデザインしたものだとか言われますがこれは魚々子と描かれていた事から魚の卵からと言う説に軍配が上がると思います。七々子柄のル−ツはと言うとペルシャから中国へ来て日本に伝わったと言われている。ペルシャから中国へと言うとシルクロ−ドを旅して来たのでしょう。元々は調金技法だと言われているが現在では陶芸を初め建築、漆芸、江戸切り子等さまざまな分野に広がっている様です。
私自身は「困った時の七々子頼み」で展示会用に鉢合わせがうまくいかないときは七々子鉢を使う事が良くある、言いかえれば手抜きにはもってこいの柄だと言える。


楽鉢での七々子柄は古くには高価だったと言われている、東洋蘭風来記のサイトを運営されているエビアン氏によると、「昭和の初期の頃までは、現在で言う高級絵付け錦鉢よりも高価な最高級鉢でした」と言われている、初期の頃の七々子柄は現在の網の目の様な柄とは違い見るからに手間の掛かる様な柄である。私も20年以前も前に一風変わった柄の七々子柄の蘭鉢を見た覚えがある、唐草模様のように線の端がくるりと曲線になっていた。その後その鉢は目にする事もなくなっていたが記憶の中には変わった柄だったと言うのがずっと残っていた。1年程も前だろうか?知り合いの蘭商の方が「おもと鉢の古いのがあるがいらないか」と言って来た話を聞いてみると香川県の中讃地方で家を壊す為に作業員の方が家の中を確認していると鉢が3個出て来たと言うのである、見ると2,5号位の色手島、同じ位の大きさの七々子鉢、そして4寸程の白胴の七々子鉢である。この白胴の七々子鉢がまさにあの蘭鉢に書かれていた変わった七々子柄だった。私はこの柄の七々子柄の事を勝手に古代七々子と呼び、唐草風に書かれている七々子鉢を唐草七々子(そのまんまかい!)と呼び分けている。
9月末の業者組合の交換会にもこの古代七々子の鉢が売りに出され手に入れる事が出来た。七々子柄には目の非常に細かいのから程程のまで幅広くあるがやはり目の細かい物を選びたい。特殊な七々子柄の鉢を除けば加茂黒釉薬を使っている鉢でも価格的にもそれ程高価でもないので是非入手され楽しんで頂きたいと思う。
 七々子鉢の写真はこちらから

補足-七々子柄はこのハ−ト型を横にしたようなデザインから唐草型になり現代の8の字を横にしたようなデザインになったと思われる。

私が古代七々子と呼んでいる七々子柄